真珠の言の葉ココロに留まった一節を書き留めてみました。 みなさんのココロには どう映るでしょうか・・・ ***************************************************************** 山路を登りながら、かう考へた。 智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 兎角に人の世は住みにくい。 住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。 どこへ越しても住みにくいと悟つた時、詩が生れて、画が出来る。 人の世を作つたものは神でもなければ鬼でもない。 矢張り向こふ三軒両隣りにちらちらする唯の人である。 唯の人が作つた人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。 あれば人でなしの国に行く許りだ。 人でなしの国は人の国より猶住みにくかろう。 越す事のならぬ世が住みにくければ、 住みにくい所をそれほどか、寛容(くつろげ)て、 束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。 こ丶に詩人といふ天職が出来て、 こ丶に画家という使命が降る。 あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、 人の心を豊かにするが故に尊い。 ---- 夏目漱石 著 『草枕』より---- 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 ----やがて風が吹き始め、花が実をつけるのと同じように、 そういうふうにずっとずっと前から決まっている決まりなのだ。 僕たちは、草に頬ずりし、風に髪をまかせ、くだものをもいで食べ、 星と夜明けを夢見ながらこの世界で暮らそう。 そして、いつかこのまばゆい光の生まれたところに、 みんなで手をつないで帰ろう ---- 恩田陸 著 『光の帝国』より ---- 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 「そして俺はその話をこの先たぶん誰にもしないだろうと思う。 たとえ君に対してもだ。 そして君もたぶんその話をこの先誰にもしないだろうと思う。 たとえ俺に対してもね。 俺の言っている意味はわかるかい?」 「わかると思います」と僕は言う。 「どういうことだと思う?」 「ことばで説明しても そこにあるものを正しく伝えることはできないから。 本当の答えというのはことばにできないものだから」 「そういうことだ」とサダさんは言う。 「そのとおりだ。 それで、ことばで説明しても正しく伝わらないものは、 まったく説明しないのがいちばんいい」 「たとえ自分に対しても?」と僕は言う。 「そうだ。たとえ自分に対してもだ」とサダさんは言う。 「自分に対しても、たぶんなにも説明しないほうがいい」 --- 村上春樹 著 『海辺のカフカ』より --- 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 「あなたは美しい方です、ドクター。 聡明で、お強い。 でもいつも心を引きずっておられるように見える。 これからあなたはゆるやかに 死に向かう準備をなさらなくてはなりません。 これから先、生きることだけに多くの力を割いてしまうと、 うまく死ぬことができなくなります。 少しずつシフトを変えていかなくてはなりません。 生きることと死ぬことは、ある意味では等価なのです、ドクター」 --- 村上春樹 著「神の子どもたちはみな踊る」より 『タイランド』 --- 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 「高度に発達したネットワークは 身体化する。 そのときに、共鳴的な人々は 身体化したネットワークを通して、 世界とシンクロし始める。 世界レベルの共鳴現象が起こり、 彼らは世界を浄化する」 ---- 田口ランディ 著 『モザイク』より ---- 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 |